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婦人公論.JP 12/13(金) 12:00配信
だるい、眠りが浅い、食欲がない……。もしかしてそれは必要な栄養が足りていないのかもしれません。管理栄養士・森由香子さんに、効率的に栄養素を摂る「食べ合わせ」を聞きました。(構成=島田ゆかり イラスト=田尻真弓)
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◆栄養素が不足すると慢性疲労につながる
人間の体は食べ物から作られています。生きるためのエネルギーを生み出すのも栄養素の力。不足すると体のさまざまな機能が正常に働かなくなり、倦怠感に悩まされることに。
人間に必要な栄養素は約50種類といわれています。代表的なものが、3大栄養素である炭水化物(糖質)、脂質、タンパク質。これらは60兆個ある細胞のエネルギー源であり、筋肉を動かす、呼吸をする、心臓を動かす、体温を調節する、さらに消化などにも使われます。
そして、そのサポートや微調整を担うのがビタミンやミネラル、食物繊維など。解明されていない未知の栄養素もありますが、どの栄養素も単体で働くことはできません。互いに作用し合って初めて体内で働くため、何かの栄養素が不足すると相互作用のバランスが崩れてしまうのです。
さらに、年齢を重ねると食事の量が減り、消化力も落ち、ほとんどの人は何かしらの栄養不足に陥っています。その結果、あちこちで不調が起こり始めるのです。
たとえばビタミンΒが不足すると慢性疲労を感じ、カリウムが不足すると食欲不振に。炭水化物不足は倦怠感、亜鉛不足は意欲減退、鉄不足は貧血……といった状態です。
また、好きなものばかり食べる人、食事のメニューがいつも同じという人も摂取食品数が少なくなるので、栄養が偏りがち。まんべんなく栄養素を摂るには、「主食、主菜、副菜」が並ぶバランスのよい食事を心がけ、主菜のタンパク質の種類を肉、魚、卵、大豆製品などいろいろ変えること。そして野菜は7色(緑、黄緑、赤、オレンジ、黄、白、紫)を意識して食べるようにすれば、まんべんなく栄養素を摂ることができます。
◆無駄なく栄養を摂るための知恵
バランスよく食べることはもちろんですが、さらに効果をアップさせるために「食べ合わせ」というテクニックがあります。これは、2つ以上の食材を組み合わせて摂る食べ方で、吸収率がアップする「相乗効果」と、お互いのもつ効果が強化される「相加効果」があります。
相乗効果のある食べ合わせとは「かけ算」のような食べ方で、たとえば豚肉のビタミンΒとニンニクのアリシンを一緒に摂ると吸収力がアップし、疲労回復効果があるというもの。一方、相加効果は「足し算」の食べ方になります。さつまいものビタミンEとブロッコリーのビタミンCはどちらも抗酸化作用があり、体内で助け合う効果があるのです。ちなみに、緑黄色野菜の多くは、ビタミンCとEが両方含まれています。
また、不足しがちなミネラルやビタミンの栄養素を、無駄なく吸収するのにもコツがあります。造血作用のある鉄はビタミンCと一緒に摂ることで吸収力がアップ。骨粗しょう症対策に不可欠なカルシウムは、ビタミンDのサポートにより吸収されやすくなります。鉄もカルシウムも、もともと吸収されにくい栄養素なので、サポーターになるビタミンCやDと一緒に摂らないとほとんどが吸収されずに排出され、もったいないことに。
ビタミンAは、β-カロテンが体内で変化したものですが、脂溶性のため炒め物やオイルドレッシングで吸収力をアップできます。ビタミンCとEは体内で助け合う強力なパートナー。レモンとアボカドや、じゃがいもとオリーブオイルなどはとても好相性。「ちょい足し」のような食べ方でも十分です。
◆疲れやすい人は便利食材を取り入れて
今すでに疲れを感じていたら、疲労回復に最もおすすめのメニューがあります。それは、豚肉を使った「肉じゃが」。疲労回復には、ビタミンΒ+抗酸化作用のあるアリシン、カリウム+アスパラギン酸の組み合わせが最強です。豚肉にはビタミンΒとアスパラギン酸が含まれ、じゃがいもにはカリウム、玉ねぎにはアリシン(と同様の働きをする成分)が含まれています。お互いの栄養素がサポートし合い、疲労回復物質をつくりだしたり、働きを助けるなどして元気にしてくれるのです。同じ材料で豚汁にすれば、発酵食である味噌も追加されるので腸内環境の改善にも効果を発揮します。
◆卵ともやし、パセリは「便利食材」!
今回、代表的な不調に効果的な食べ合わせをいくつかご紹介しましたが、強力なサポーターになる「便利食材」についても触れておきましょう。
まずは卵。ビタミンCと食物繊維以外の栄養素がすべて含まれている完全食です。1日1個の習慣で、体内でさまざまな栄養素と結びついて、それぞれの働きを促進します。
次にもやし。栄養があまりないイメージかもしれませんが、疲労回復に欠かせないアスパラギン酸が豊富に含まれています。炭水化物をエネルギーに変え、新陳代謝を活発にする効果もあり、疲労に対する抵抗力を高めてくれます。さらにビタミンCも豊富なので、鉄の吸収に好相性。レバニラ炒めにもやしが入っているのは、理に適っているのです。
もうひとつはパセリ。野菜の中でもビタミンC含有量が群を抜いています。それだけでなく、β-カロテンや鉄分も豊富。抗酸化力が高く、疲労の原因となる活性酸素からも守ってくれます。鉄にはビタミンCが必要ですが、パセリは単体で両方が摂れるので貧血にもおすすめ。血が豊かになると全身に栄養が行き渡り、疲労回復に効果的です。また、豊富なビタミンCはコラーゲンの合成にも働きかけるので、美肌効果もあります。これらの食材は、食べ合わせに便利な食材として覚えておくとよいでしょう。
食品から摂る栄養素は、体内に入って貯蔵・貯留され、必要に応じて使われていきます。1週間を目安にさまざまな食材を摂るようにすれば、栄養バランスがとれるでしょう。この時季に多い不調改善に効果的な食べ合わせを覚えておくと、毎日を元気に過ごせますよ。
(構成=島田ゆかり)
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