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2025/05/15

精美の食べ物ブログ!コメダ珈琲、スタバとはまるで違う愛され方

精美スキンケアクリニック公式サイト

東洋経済オンライン    
6/22(金) 7:30配信

 


■「喫茶店が減る時代」に店舗を拡大

 あまり知られていないが、今年は「コメダ珈琲店」(コメダ)が創業して50年になる。1968年2月1日に名古屋市の下町・那古野(なごの)に開業した小さな店が始まりだ。
 たった1つの店が半世紀で巨大化した。現在、コメダの国内店舗数は795店、海外を加えて800店だ(2018年4月末現在)。これは首位「スターバックスコーヒー」の1342店(2018年3月末現在)、2位「ドトールコーヒーショップ」の1124店(2018年3月末現在)に続く国内3位。上位2ブランドとはまだ差が大きいが、かなり背中が見えてきた。

 一方、国内の喫茶店数は大幅に減った。総務省統計局の経済センサスをもとにした全日本コーヒー協会資料によれば最盛期の1981年には15万4630店を数えたが、最新データでは6万9983店(2014年)。30年余りで半分以下になった。

 なぜ喫茶店が減る時代に、コメダは店舗拡大できたのかを、多方面から考察したい。今回は経営指標ではなく「消費者心理」の視点で考えてみよう。

「カッコつけないで行ける」店
 筆者のコメダ取材歴は10年以上になる。『日本カフェ興亡記』(2009年、日本経済新聞出版社刊)という著書を上梓するため、まだ店舗数300店台だった同社の取材を始めた。当時は東京都大田区に出店(2007年)していたが全国的には無名に近い存在。ただし名古屋での知名度は抜群で、地元在住の40代のビジネスパーソン(取材時)はこう話した。

 「コメダのよさは、変にカッコつけないところ。仕事やプライベートで改まった話をする場合はともかく、地元の友人などと一緒のときは普段着感覚で使える」

 いま振り返ると、このコメントはコメダの本質をついていた。「カッコつけない店」だったからこそ、コメダは全国展開でき、全世代が使える店になったのだ。メニューでもカッコよさは打ち出さない。たとえば「ピッツア××」ではなく「コメダ特製ピザ」となっている。

 それは創業者の加藤太郎氏(現珈栄舎社長)のめざした道だ。「コメダは、喫茶店を自宅の居間や会社の応接室の延長線上で使う名古屋のお客さんと向き合ってきた」と話した加藤氏は、コメダの役割を「気軽に飲食できて、くつろげる場所」と位置付けた。以前の取材では「コメダは喫茶業の業態を取っているが、その本質は“貸席屋”」とも語った。

 総じて“名古屋人”は見栄っ張りだが、カッコつける店を好まない。名古屋発で、東京でも成功した飲食店の大半は、気軽に行けて使い勝手のよい店だ。たとえば、国内で約1300店を展開する「カレーハウスCoCo壱番屋」(ココイチ、祖業は名古屋市西区にあった喫茶店「バッカス」)もコメダと似た店舗哲学だ。スタイリッシュにしないで1000円前後で利用できる。「コメダ=気軽に行ける喫茶店」「ココイチ=気軽に行けるカレー店」なのだ。

■飲食では「名古屋はケチじゃない」

 コメダのフードメニューの分量は多い。これも消費者に支持された理由の1つだ。

 飲食関連の取材を続けて感じるのは、ヒトの「食べ物へのウラみは根深い」こと。「店のメニューを見て、期待して頼んだら、思ったより量が少なくてガッカリ」という体験を持つ人は多いだろう。たとえ店の名前は忘れても、その思いはいつまでも記憶の片隅に残る。

 名古屋地区の店で、メニューのイメージよりも大幅に少量の品を出したら、早い段階で淘汰されてしまう。昭和時代から、名古屋では飲食メニューをドカンと出す気風だった。この視点は、合理的に飲食店を使い、コスパ重視の名古屋人を相手にしないと身に付かない。

 喫茶店の「モーニングサービス」に象徴されるように、もともと名古屋の人は “オマケ”好き。コーヒー代で店内の新聞や雑誌が読めるのもオマケで、分量が多いのもオマケなのだ。とかく「ケチ」と言われる名古屋だが、飲食では「名古屋人はケチじゃない」とアピールしているとすら思える。筆者も10代まで当地で暮らし、オマケ文化に親しんできた。

 コメダの味はどうだろう。フードメニューについて、取材時に各地の店に来たお客さんの声を紹介すると、「カツサンドはフツーにおいしい」(18歳の女子学生)、「味もいいし、量がいっぱいでうれしい」(50代のスポーツ系企業幹部)という意見が目立つ。高級レストランではない喫茶店ゆえ、経験したことのない味ではなく、“ふつうのおいしさ”なのだ。

■「コーヒーの味」は割り切る

 一方、コーヒーの味は意見が分かれる。「コメダのコーヒーはおいしくない」という意見も確かにあるが、2016年に開業した北海道・札幌の店ではこんな声もあった。

 「仕事での出張先でコメダはよく使うが、コーヒーはどこもとんがっていなくて何度飲んでもいいです」(60代の会社員)

 偶然だが、この人は筆者の別の取材先の社員(工場長経験者)だった。同社はレストランも数百店規模で経営しており、もちろんコーヒーも提供する。開業日の札幌のコメダ店で、最初に「コーヒーチケット」(回数券)を買った人でもあった。

 コメダの「ブレンドコーヒー」は約40年前から、「どこの店で、誰が淹れても同じ味になる」均質化(工場製造)にこだわってきた。800店規模となっても変わらない。

 現在はコロンビアなど4種類の生豆を、各豆の特徴を生かして、ある豆は深煎り、ある豆は浅煎りなど7種類の焙煎豆にして抽出する。「味わいでは、力強い苦味とさわやかな酸味が調和しており、雑味や異臭がないのも特徴です」(広報担当者)と説明する。

 つまり“コーヒー通”に向けた味ではなく、多数の人向けの“割り切った味”といえる。嗜好品なので好みは人それぞれ。京都の老舗珈琲店のコーヒーが好きという人(50代の来店客)でも、コメダのコーヒーは好きという人もいる。最近では「ブラックですっきり飲みたい」人に向けて「コメ黒」という名のコーヒーを開発。今年から全国展開を始めた。

 放送メディアでも時々解説するが、筆者は「カフェ」の成り立ちを「基本性能」と「付加価値」に分けて考えている。最後にこの視点で、コメダの強みをまとめてみよう。

 (1)「基本性能」=飲食の味。場所の提供

 (2)「付加価値」=その店ならではの独自性

 コメダが競合よりも圧倒的に強いのは (1)の中でも「場所の提供」だ。コーヒー代が1杯400円台であっても、フルサービス(店員が注文を取りに来て、飲食も運んでくれる業態)の喫茶店で、落ち着けるソファに座り、ゆっくり過ごしたい客層に支持されてきた。

 (2)の付加価値は、競合店によってさまざまだ。コメダの場合は「モーニングサービス」や「新聞・雑誌の読み放題」などもある。ただし後者は、インターネットの重要性が増すにつれて、以前よりも訴求力が落ちてきた。現在は同時並行して「座席横のコンセント設置やWi-Fi接続」に注力している。

■「スタバは、ウチとは関係ない」

 総務省の「家計調査」として知られる「1世帯当たりの喫茶店代」の支出金額(都道府県庁所在地・政令指定都市別)で、毎回首位を争うのが、名古屋市と岐阜市だ。3位は東京23区(東京都)が定番だが、この両市とは金額で大きな差がついている。

 名古屋市も岐阜市も、自分たちでカフェ・喫茶店を使う一方、お客さんが来ると、「コーヒーでも飲みに行こうか」と連れ出す。この“カフェ連れ出し文化”は他地域ではあまり見かけない。そうした土地柄で、「コメダに行くか」と選ばれてきた歴史がある。いずれくわしく説明するが、郊外型店舗を駐車場から設計するのもコメダの店舗哲学だ。

 スターバックスが名古屋に進出した際、社長だった加藤太郎氏は、こう話したという。

 「あれはウチとは関係ないな」

 コメダがことさらスタバを意識した経緯は見られないが、独自路線で、スタバとは真逆の道を歩んだ結果、「昔ながらの喫茶店」として各地方でも受け入れられていったのだ。

高井 尚之 :経済ジャーナリスト、経営コンサルタント



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2018/06/22 未選択 Comment(0)

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