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東洋経済オンライン 7/3(火) 6:00配信
かつて、「10秒チャージ、2時間キープ」のキャッチフレーズで一世を風靡した「ウイダーinゼリー」。
森永製菓が製造・販売し、1994年の発売以来「ウイダー」の略称で親しまれてきた同商品だが、2018年3月の出荷分から商品名は「inゼリー」(インゼリー)に変わり、ウイダーという名前はひっそりと削除された。パッケージ前面のロゴも森永のエンゼルマークに切り替えられている。
■実は数年前から「ウイダー隠し」状態
「消費者の多くは、パッケージの形と目立っている前面の『in』の文字でブランドを判断している」(森永製菓)というだけに、販売への悪影響はほとんどないようだ。
実は広告などでは数年前から「戦略的ウイダー隠し」といえる状況が続いていた。2014年に、栄養別に訴求するパッケージからカロリー別パッケージに大幅リニューアルしたときから、マーケティングに関してはインゼリーという呼び方に統一していたという。販売が振るわなかったためパッケージは栄養別の訴求に戻したものの、呼び方は継続していた。
ゼリー飲料の代名詞となっていたウイダー。このタイミングで商品からウイダーの名前とロゴを削った背景には、「これから全社的に健康系の事業に力を入れていく中で、中心の商品になっていくインゼリーにエンゼルマークをつけて、森永ブランドの認知向上を狙いたい」(同社で健康部門のマーケティングを担当する佐藤実氏)という考えがある。
国内では消費者の健康志向が高まり、関連商品は業界の中でも数少ない成長分野だ。特にインゼリーの販売はここ数年絶好調で、森永の好業績の立役者となっている。
販売については伸び率しか公表されていないものの、2017年度までは3年連続の2ケタ増。同社の健康部門の売上高は、354億円のうち「約7割がインゼリーの売り上げで成り立っている」(会社側)という。健康部門はこの3年間で7割も売り上げを伸ばした。
全社で見ても、2017年度の売上高の増収分55億円のうち、健康部門が8割超を占めた。成長が“ウイダー頼み”になっていたというのが実情だ。
森永では、健康部門に高カカオ(カカオ分70%以上)のチョコレートなど菓子部門の一部商品を加えた商品群の売上高を、2020年度までの3年間で全体の50%以上(現在は42%)にまで押し上げようという目標がある。インゼリーはその牽引役という位置づけだ。
そもそもウイダーは、米アリゾナ州・フェニックスに本社を置く、プロテインやサプリメントなどの販売を手掛ける企業の名前。著名なボディビルダーの故ジョー・ウイダー氏が1936年に創業した。
森永製菓は健康分野の事業に参入するために、1983年にウイダー社と事業提携を開始。同社のブランドを使用したプロテインなど健康・栄養食品の日本での製造・販売権を得た。
当初は、全国各地のボディビルジムやスポーツ店に商品を売り込むなど、一般消費者向けというより、ボディビルダーやアスリートを対象にしたビジネスを展開していた。健康分野の事業でウイダーブランドを使用したのは、「お菓子メーカーのイメージと距離を置くため」(佐藤氏)だったという。
■「inゼリー」は森永の独自商品
現在、森永は粉末状のプロテインやサプリメントをウイダーブランドのライセンスで手掛けている。ただ、インゼリーは森永製菓が独自に開発した商品。ウイダー社との交渉の末、ブランドを切り替えることになったという。
取材に対し、交渉の詳細は明らかにしなかったが、「契約上は問題がなくなった」(会社側)。ロゴが外れることで、売上高に対し一定率を払っていたライセンス料の負担もなくなる。
また、ウイダー社との契約は2030年まで続く一方で、契約が切れたときのリスクを考慮して、早めのブランド切り替えで森永ブランドとして根付かせたいという狙いもありそうだ。
佐藤氏は「商品の認知率はもう9割に近く、スポーツイベントの協賛などで(ウイダーの)ブランドロゴをこれ以上露出しても広告効果としては薄い」と話す。今後も、栄養別の訴求を強化して販売増を狙う計画だ。
これまでは主に20~40代男性の食事代わりの需要が多かった。だが間口を広げようと、女性誌に鉄分やタンパク質の摂取ができるという広告を載せたり、産婦人科で配布される冊子に、つわりで食欲がないときの栄養補給品として訴求したりしているという。高齢者にも、あまりかまずに摂取できる点をアピールする。
収益性の高まったインゼリーを成長の武器にできるか。
石阪 友貴 :東洋経済 記者
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