食品新聞 3/24(火) 7:27配信
豆乳を乳酸菌で発酵させてつくった豆乳ヨーグルト市場は14年から5年連続で伸長し、健康・美容ニーズやSDGsなど環境意識の高まりにより今後も成長が見込まれる。
市場の過半のシェアを握るポッカサッポロフード&ビバレッジも昨年4月に新発売した大型容器の「SOYBIO(ソイビオ)豆乳ヨーグルトプレーン無糖400gカップ」が牽引役となり、同社の豆乳ヨーグルト事業は前期(12月期)前年比33%増の18億円となった。
実績について、大豆・チルド事業本部事業戦略部の大久保正孝部長は「新商品を出した昨年4月からの1年間では我々が目指す前年比50%増の20億円がほぼ達成できた。1年やってみて肌で感じているのは“このカテゴリーはある”ということ。自分への健康と環境への配慮から植物性食品は世界的に拡大し日本でも加速している」と語った。
豆乳ヨーグルト事業に、豆乳の「ソヤファーム」とアーモンドミルクの「アーモンド・ブリーズ」を加えた大豆・チルド事業全体では前期、18%増の32億円へと拡大。今期は、「ソイビオ」「アーモンド・ブリーズ」の順に注力して25%増の40億円を目指していく。
豆乳ヨーグルトとは、大豆たんぱく質・大豆イソフラボン入りでコレステロールゼロの乳製品不使用の植物性ヨーグルトのことで、豆乳を乳酸菌で発酵させた点を特徴とし、このメリットについてはイソフラボンの吸収量を増加させるなど複数の研究結果が発表されている。
この中で「ソイビオ」については、一度食べてもらい、このような物性価値を理解してもらえると高い割合でリピートされる一方、他社ヨーグルト商品と比べて認知率とトライアル率が低くい傾向にある。
豆乳ヨーグルトカテゴリーを担当する小笠原千春マネージャーは「まず知っていただき、いかに手にとってもらえるかが課題」と述べ、豆乳ヨーグルトを食べてもらえない理由として「豆乳ヨーグルトを知らない」「どんな味がするかイメージできない(おいしくなさそう)」「どのような効果があるのかわからない」――の3つを挙げた。
この3つの理由に向き合うべく、400gカップのパッケージを刷新。3月23日から発売している。
「“どのようにしてつくられているのか”という問いには、豆乳を発酵させた豆乳ヨーグルトであることをしっかり訴求していく」との考えの下、パッケージは“豆乳”の文字を大きくあしらうとともに“豆乳ヨーグルト”を一体で見せるようにした。
味わいについては、クセと酸味がないまろやかな味であることを明記し、物性価値は“吸収しやすいイソフラボン”のアテンションを大きくデザインして訴求強化した。
メインユーザーとなる健康志向の強い女性層は、原材料への関心も高いことから裏面に食物繊維がイヌリンであることや4種の乳酸菌も記載。乳製品不使用の表記も大きくした。
店頭では当初4月からマネキン販売を強化していく予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けプランを練り直し、4月13日から5月31日にかけて「おいしくなかったら全額返金キャンペーン」を実施してトライアルを促進していく。
同キャンペーンは、400gカップと3月30日にリニューアル発売するドリンクタイプの「SOYBIO豆乳ヨーグルト180gストロー付きカップ」を対象商品に、条件を満たした申込者に1品分の購入代金と切手代を合算して郵便為替で返金する内容となっている。
ドリンクタイプも、成分訴求を強めたパッケージに変更したほか、中味はとろみをおさえてスッキリさせた。主にコンビニでの販売増を狙い、希望小売価格を10円値下げして税抜き140円とした。400gカップは従来通り税抜き250円。
「アーモンド・ブリーズ」は3月30日にリニューアル発売する。アーモンド・ミルクカテゴリーを担当する加藤貴義係長は「アーモンドミルク市場は急成長を続けるも、まだ豆乳の10分の1、牛乳の100分の1程度の規模でミルクという視点では大きな伸びしろが残されている」と意欲をのぞかせる。
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2020/03/24
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