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台湾発祥の「春水堂」が火付け役となり、昨年辺りから第2次ブームを迎えているタピオカドリンク。今年に入っても続々と新ブランドが日本に上陸していますが、その“本命”となるかもしれない大手チェーンが、ついにタピオカドリンク市場に参戦しました。
ドーナツ専門店チェーンの「ミスタードーナツ」は4月26日から9月下旬まで、全国の約1000店で4種類のタピオカドリンクを販売します。競合がひしめく激戦市場で、後追いの立場からどう巻き返していくのでしょうか。4月23日に開かれた発売記念の乾杯式の様子から、ミスドの戦略を探ってみます。
ミスドとしては初となる、タピオカドリンクの発売。今回提供を始めるのは、定番の「ミルクティ」のほかに、「抹茶ミルク」「マンゴーオレンジ」「ストロベリーソーダ」の4種類。価格はいずれも486円(税込み)となっています。
これら4種類に共通する特徴は、タピオカそのものに色と味が付いていること。SNS映えするのはもちろん、先にドリンクを飲み干してしまったとしても、タピオカの味を楽しめる配慮が施されています。
4種類の中でも変わり種は、ストロベリー風味のタピオカに炭酸ソーダを注いだ「ストロベリーソーダ」。既存のタピオカドリンクでは無炭酸の飲み物が多いため、炭酸のシュワシュワとタピオカのモチモチが口の中で一体となり、これまでに味わったことのない食感が味わえます。
「マンゴーオレンジ」はオレンジジュースの中にマンゴー風味のタピオカが入ったもので、夏っぽいさわやかな後味が印象的。「抹茶ミルク」はコクのあるミルクの中にほろ苦い抹茶風味のタピオカが入っており、少し大人な味わいになっています。
それにしても、国内のタピオカドリンク市場はすでに複数のブランドがしのぎを削る激戦市場。ブームの本格化から1年を経た今、あえてミスドが参戦する狙いはどこにあるのでしょうか。
1971年に大阪・箕面市で1号店を開業してから、日本にドーナツという食べ物を定着させてきたミスド。2017年には新たな挑戦として「ミスドゴハン」を始め、食事需要へのチャレンジに取り組んできました。
そして、開業50周年を翌年に控えた今年、新たなチャレンジを始めようということで、さまざまなジャンルを社内で検討したといいます。そこで目を付けたのが、昨年のJC・JK流行語大賞に「タピる」(タピオカドリンクを飲むという意味)が選出され、第2次ブームを迎えているタピオカドリンクでした。
では、なぜタピオカドリンクだったのか。その疑問に対し、タピオカドリンクの開発を務めた販売企画部の藤原裕子さんは、「ミスドといえばドーナツをはじめとした“食べる店”というイメージが強く、“ドリンクを飲む店”というイメージが薄かったと思います。そうした状況を踏まえて、ドリンクを強化していこうと考えました」と説明します。
ターゲットとしては、10代の若者やビジネスパーソンに加えて、ミスドの主要顧客層である子育てファミリーも含め、幅広い層を想定しています。こうした既存の顧客層にテイクアウトも含めて利用してもらい、その告知効果によって新たな客層を開拓するという“2段構え”の戦略です。
それでは、先行している競合店舗に対して、ミスドはどうやって差別化していくのでしょうか。この点について、ミスドは2つの戦略を描いています。
1つは、全国に広がる約1000店の店舗網です。既存のタピオカドリンク店が店舗を構えているのは、東京や大阪といった都市圏が中心。まだ地方部では十分に浸透していないとみられ、こうした需要を刈り取る作戦です。
もう1つが、タピオカそのものに味を付けた点。ミスドの売りの1つは、ドーナツに代表される“種類の豊富さ”。タピオカでも同様に、他店ではあまり見られない4種類を展開することで“選べる楽しさ”を提供していく考えです。
この点について、今回の新商品のCMに起用されたE-girlsの楓さんは「今までのタピオカドリンクでは味わったことのない感覚が味わえる」と太鼓判を押します。
はたして、思惑通りに未開拓だった地方の需要をごっそりと取り込むことができるでしょうか。地方在住でこれまでタピオカドリンクを飲む機会がなかった人にとって朗報であることは、間違いなさそうです。
猪澤顕明(MONEY PLUS編集部)
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