[PR]
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
精美スキンケアクリニック公式サイト
トレンディーネット 9/27(水) 7:00配信
「粉ミルク」といえば誰もがイメージするのは、あの丸い缶に入った乳児用の粉ミルクだろう。ところが雪印メグミルクグループの雪印ビーンスタークが2017年9月に発売したのは、“大人のための粉ミルク”とうたう「プラチナミルク」シリーズ。実は約1年前の2016年10月3日には、森永乳業が大人のための粉ミルク「ミルク生活」を通信販売限定で発売。さらにその1年半前となる2014年4月には、救心製薬がその名もズバリ「大人の粉ミルク」を発売している。
しかし粉ミルクは本来、普通の食品から栄養を取ることができない、乳幼児のための“母乳の代わりに飲むもの”なのではないか。なぜ、自分でそしゃくして食品から栄養を摂取できる大人に向けて、粉ミルクを売るのか。その狙いについて、3社に聞いた。
森永乳業と雪印ビーンスタークが大人のための粉ミルクを開発したのは、「育児用粉ミルクを健康のために取っている大人が意外に多い」という実態が背景にあった。
「以前からシニアの方が『健康のために育児用ミルクを飲んでいる』という声が寄せられていたが、それが近年増えてきていると感じるようになった。調べてみるとお客さま相談室に届いた件数は、年間約100件に上っていた。『10年間、コーヒーに入れて飲んでいる』『実際に飲んで健康に良い効果があった』という声とともに『飲んでも問題ないのか』『大人用の粉ミルクはないのか』という声も多かった」(森永乳業 営業本部 ウェルネス事業部 マーケティング統括グループ ヘルスケア食品マーケティンググループの小菱悟マネージャー)。
そこで同社は「大人のための粉ミルクに関する受容性」を調査。すると商品コンセプトへの肯定率が約90%と非常に高い結果が得られたという(※2015年12月に森永乳業が実施した説明文提示による魅力度調査。対象者は50歳以上女性、n=53)
雪印ビーンスタークでも近年、「育児用の粉ミルクを大人が飲んでもいいですか?」という問い合わせが増え、店頭でも同様の質問をよく受けるという報告があったという。そこでアンケート調査を実施したところ、60代の女性でも2%程度の人が、「総合的に栄養が取れるから」「体に良さそうだから」という理由で自分用に粉ミルクを購入している実態が分かった。「大人が自身の栄養補給のために飲む『大人の粉ミルク』のニーズがあるならば、弊社が長年にわたって続けてきたヒトの栄養研究と乳の加工技術を応用し、より大人に適した粉ミルクを作ることができる可能性があると考えた」(雪印ビーンスターク 商品開発部 マーケティンググループの河内慶子氏)。
これに対して救心製薬は「牛乳が苦手だがカルシウム補給のために無理をして飲んでいる人、牛乳を飲むとおなかがゴロゴロしてしまう人のために、赤ちゃんの栄養源である粉ミルクを大人に転用したらいいのでは」という発想から開発を始めたという。
ではなぜ大人が食事やサプリメントではなく、育児用の粉ミルクを選ぶのか。ここには“生まれたての赤ちゃんが飲むものなら”という消費者心理が働いているようでもある。
「生まれたばかりの子どもの成長は特に心配なものだが、粉ミルクだけで元気に成長した育児経験から『粉ミルクの栄養価はすごい』という印象を強く持っている人がシニアの中には多い。自身がシニア世代になって健康が気になりだしたとき、『子どもに良いものなら、年齢を重ねた自分にも良いだろう』という思いで飲まれるようになったのでは。また『乳幼児が飲んで安心なもの』という信頼感、安心感も大きいと思う」(森永乳業の小菱マネージャー)
●粉ミルクの栄養バランスをベースに、大人が必要な栄養を追加(森永乳業)
このような経緯で誕生した大人のための粉ミルクは、育児用粉ミルクとどう違うのか。森永乳業では、「赤ちゃんと高齢者は、近い部分と遠い部分がある。大人の健康を考えたときに、何が必要かという選定が難しかった」と振り返る。シニア世代から多かった「最近、元気が出ない」「風邪をひきやすくなってきている」「お通じが悪い」「カルシウムが減り、骨折しやすくなっているのが不安」「食が細くなって栄養のバランスが取れなくなってくる」などの声から検討を重ねた。結果的に、粉ミルクの愛用者が最も高く評価している栄養バランスの良さをベースに、大人が必要としている成分を追加。いろいろな成分の中から選んだ六大成分「ラクトフェリン」「ビフィズス菌BB536」「シールド乳酸菌」「カルシウム」「中鎖脂肪酸」「鉄」を配合したという。
一方、「育児用粉ミルクは成長過程にある乳幼児にとっては完全栄養食品だが、成長を終えた大人にとっては最適ではない」と考え、栄養バランスそのものを調整したのが、雪印ビーンスタークの「プラチナミルク」だ。「新生児用の粉ミルクはそれだけで成長に必要な栄養すべてを取るものなので、脂質が多くカロリーも高め。取り方にもよるが、成長した大人が取りすぎると栄養過多になることもある。そこで食事からも栄養を取る大人に合わせつつ、大人が不足しがちな栄養を、バランスを重視して補う配合にしている」(河内氏)。
栄養バランスを重視しているのは近年、単なる寿命ではなく“健康寿命”が課題になっているため。厚労省の調査では男性で平均9.13年、女性で12.68年、支援や介護が必要な期間になり、そのために医療費が増大し、QOL(生活の質)も低下する。健康寿命を延ばすために必要なのが、食事と運動。60代女性の国民栄養健康調査をみると、ビタミン、ミネラルが不足しがちとなっている。「理想の栄養バランスの食事を取るのはそう難しくないが、それを毎日続けるのが難しい。そこで、栄養バランスを整えるために、粉ミルクを利用していただきたい」(河内氏)。また同ブランドではほかにも、女性に多い美容面での悩みや、「いつまでも元気で動ける体でいたい」というニーズにも対応したいと考えた2品もあり、合計3品で発売している。
救心製薬の「大人の粉ミルク」は、牛乳に近い栄養バランスで、骨や筋肉に必要な栄養素を効率的に摂取できるのが特徴。骨の構成成分と類似しており、コラーゲンとミネラルを同時に補給できるミネラル複合体「プロテタイト」を配合し、骨に関わる2種のビタミンを強化しているので、特に骨量の維持に不安を抱いている人に向いていそうだ。牛乳に含まれる乳糖を可能な限り除去しているため、牛乳を飲むとおなかがゴロゴロする人にもおすすめ。牛乳の主成分で、アレルゲンのひとつでもあるカゼインも含まれていない。
ちなみに食品表示では、救心製薬の「大人のミルク」は国が制度を創設して表示を許可している「栄養機能食品」で、雪印ビーンスタークの「プラチナミルク」、森永乳業の「ミルク生活」は制度化されていない「栄養調整食品」に分類されている。これについて、雪印ビーンスタークは「栄養機能食品はビタミンなど各成分の表示が決まっており限定されるが、総合的なバランスを訴求することを優先し、栄養機能食品は選択しなかった」、森永乳業は「特定の成分のみが注目されるより、栄養成分をバランスよく摂取できることが伝わることを最優先に考え、商品化した」と説明している。
●ネーミングはマイナス要素よりメリットのほうが大きかった
“大人”と“粉ミルク”という言葉の組み合わせは衝撃的すぎて、マイナスのイメージも与えるのではと思うが、最初に発売した救心製薬ではメリットが大きかったという。「『大人の粉ミルク』というネーミングのユニークさにより、薬業界や食品業界、消費者イベントなどでは注目度が大きかった。ラジオやテレビで紹介されたり、YouTuberに取り上げられたりと、注目された」(救心製薬広告部 浅利浩二氏)。
「“大人のための粉ミルク”という聞き慣れない言葉に対して、ネガティブなイメージを抱く人もいるかもしれない。しかし、大切な赤ちゃんの健康を守ってきた『粉ミルク』に対しては、『健康に良い』というイメージを持っている人が圧倒的に多い。弊社が100年近く育児用粉ミルクを作り続けてきた社会的な意義を伝えるメッセージとしても、『粉ミルク』というワードが一番いいだろうと考えた」(森永乳業 小菱マネージャー )
COMMENT
COMMENT FORM