食品新聞 9/9(月) 13:39配信
気持ちを切り替えたい時に缶コーヒー
キリンビバレッジは今年で20周年を迎えた「ファイア」で原点回帰を図り“心に火をともす”ブランドとして基幹商品となるSOT缶(別称:ショート缶)の中味・パッケージ・コニュにケーションを大刷新し10月8日からマーケティング展開していく。
増田健志マーケティング本部マーケティング部ブランド担当ブランドマネージャーは「SOT缶市場はダウントレンドでありながら45%の構成比がありニーズはまだある。『ファイア』ならではの心をともす訴求で価値を感じてもらい、ブランドにも好感を持ってもらいたい」と語る。
SOT缶を担当する大竹野晋平マーケティング本部マーケティング部ブランド担当主任は、コーヒー飲料(RTDコーヒー)ユーザーの約50%がPET・ボトル缶・SOT缶を併飲し、その時のニーズに応じて容器を選択していると分析する。
その上で「以前はSOT缶が全てのニーズに対応していたが、お客様の選択肢が増えている現在では、SOT缶だったら“気持ちを切り替えたい”、PETだったら“爽快な気持ちになる”と使い分けて飲まれるようになっている」と説明する。
この考えの下、この秋冬は、気持ちを切り替えるショートブレイクニーズに焦点を合わせて、SOT缶の中味・パッケージ・コミュニケーションをゼロベースで見直しを図ったという。
「挽きたて微糖」「ブラック」「直火ブレンド」「贅沢カフェオレ」の4品を、新直火仕上げ製法でさらに力強いうまみを実現し“火”を大きく配したパッケージに刷新して10月8日に発売開始する。
ブランドのフラッグシップアイテムである「挽きたて微糖」は、前年並みで推移していることもありマイナーチェンジに留めた。
大きく刷新したのは「ブラック」で、10-12月の3カ月で前年同期比の倍の販売数量を目標に掲げるなど「挽きたて微糖」に次ぐ第二のフラッグシップへと育成していく。
その背景にあるのが、メインユーザーの30~50代男性の糖離れを主因とするブラックコーヒー市場の拡大にある。大竹野主任は「SOT缶だけでみてもブラックの構成比が高まっている」と指摘する。
これを受け、4品で新直火仕上げ製法を採用する中、「ブラック」の中味はスッキリさとコーヒー感を両立させた。「直火仕上げ製法は以前から採用しているが、以前は癒しをコンセプトにしていたためチョコレートっぽい感じにしていた。今回は、鼓舞や気持ちを切り替えるコンセプトをしっかり打ち出していくために力強い味わいにした」という。
パッケージも、4品で“今の缶コーヒーにはない現代的で潔く格好いいイメージ”を意識して刷新。その中で「ブラック」は青い炎を大きく配して視認性を大きく向上させた。
コミュニケーションも原点回帰を図り、俳優の桐谷健太さんを起用し「ファイア」発売当時(1999年)のCMソング「To Feel the Fire」を歌い上げる内容のTVCMやWeb広告を展開していく。
「CMで伝えたいのは鼓舞感とCMソング。桐谷さんがフルバージョンで歌うメイキング動画も公開して楽曲でも話題喚起を図っていく」(増田ブランドマネージャー)という。
「ファイア ワンデイ ブラック」4000万本突破
SOT缶のターゲット層は3つの層を想定。「1つ目は缶コーヒーユーザーで、2つ目は缶コーヒー離反層で特に手淹れのコーヒーにシフトしてしまった人。3つ目は若い人で、格好いい大人になりたいと共感を持ってもらいたい」と増田ブランドマネージャーは述べる。
一方、ペットボトル(PET)コーヒーの「ファイア ワンデイ ブラック」は4月に発売開始して4カ月で4000万本を突破、近く4800万本(200万ケース)を突破する見通しで好調に推移している。
好調要因は、ターゲットとしている20-30代男性だけではなく幅広い層から支持を得られたことと高いリピート率にあるという。
「“競合品よりもコーヒーが感じられる”“常温で長く飲める”“、600mlも入っていて嬉しい”とのお声をいただいている。リピート率は競合品や他のカテゴリーを含めた過去2年間にわたる新商品で断トツの1位。ただし認知の部分では課題があるため、そこは来年テコ入れしていく」と説明する。
秋冬の「ワンデイ ブラック」の施策は、キャンペーンの対象商品に組み込み引き続き需要を喚起していく。
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2019/09/11
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